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    授業内容詳細

 ロシア経済論
   Theory of the Russian Economy
授業科目区分
国際学部専門教育科目・専門発展科目・国際ビジネス科目群
担当者 田畑 理一(教授)
グレード G3
テーマ アメリカ、EU、中国とともに、現在の世界政治の主要なプレイヤーの一つであるロシアの経済と政治を考察する。その際の主要な論点は、20世紀初頭の社会主義革命の後の社会主義計画経済、1991年のソ連崩壊と市場経済化、その後の国家資本主義体制の成立である。
キーワード ロシア,旧ソ連,社会主義体制,体制転換,資源依存経済,オランダ病,製造業,独裁体制,準家産制国家
開講年度
2018
開講時期
配当年次
3・4
単位数
2
授業の目的及び概要 この授業では、ロシア及び東欧諸国の経済の歴史、現状及び課題について学修する。具体的には、まず20世紀のロシア・東欧諸国における社会主義体制の成立と崩壊、体制転換という歴史的経験について解説する。また、これらの国々におけるその後の市場経済化の経緯について理解する。さらに、これらを通して、ロシア・東欧経済と日本経済やアメリカ経済、中国経済等との関係も含め、現代の世界経済に対する視野を広げることを目標とする。
履修条件 近年とりわけ21世紀になってからの世界の政治、経済の動きに興味を持ってほしいと考える。その際、世界の主要なパワーの一つはロシアであることを知っておいてほしい。
科目の位置づけ(DPとの関連) この科目は、学位授与の方針(DP)に定める、学生が本学における学修と経験を通じて身につける知識や能力のうち、以下に該当する。1. グローバル化する現代社会の諸問題を理解し、理論と知識をもってその解決に向けて自ら考え、取り組む姿勢を身につけている。
学修の到達目標 この授業では、ロシア及び東欧諸国の経済の歴史、現状及び課題について学修する。具体的には、① 20世紀のロシア・東欧諸国における社会主義体制の成立と崩壊、体制転換という歴史的経験について知ること、② これらの国々におけるその後の市場経済化の経緯について理解を深めること、そして③ これらを通して、現代の世界経済に対する視野を広げることを目標とする。
授業の方法 講義資料を配布し、講義形式を基本として授業を行う。ロシア経済の現状について理解するために、適宜、ビデオ鑑賞も取り入れる。
授業外の学修(予習・復習等) 予習と復習を兼ねて、講義に関連する(難しくない)論文を2回程度読んでもらい、レポートを書いてもらう予定である。自分の頭で書かれた文章を読み、考え、(レポートを)書くことによって、理解への意欲が生まれるはずである。
テキスト・参考書 参考書:
溝端佐登史ほか編著  『現代ロシア経済論』 (ミネルヴァ書房、2011年)
安達祐子著『現代ロシア経済ー資源・国家・企業統治』(名古屋大学出版会、2016年)
平易な読み物としては、
河東哲夫著『ロシア皆伝』(2015年、イースト・プレス)
成績評価の基準・方法 評価方法:期末テスト50%、中間レポート30%、小テスト20%
判定基準は以下のとおりである。
 秀:90点以上、優:80点以上、良:70点以上、可:60点以上、不可:60点未満
この科目の履修にあたって 20世紀は社会主義と戦争に時代と言われているが、学生諸君には1917年のロシア社会主義革命以降のロシアおよびソ連、第2次大戦以降の米ソ冷戦、ソ連崩壊後の市場経済化、プーチン以降の強権体制の成立と軍事大国の復活、ウクライナクリミア半島の併合をめぐる米欧日の制裁発動の長期化といった近年のロシアと世界の政治経済の動きにも興味を持ってほしいと考える。近年の世界の大きなプレイヤーは米欧日と中国、ロシアである。
ロシア経済および国内事情を見る場合には世界情勢への興味を背景に持っておく必要があると思われる。本講義の主要な内容はソ連崩壊後のロシア経済の考察にあるが、ロシア帝政以来のロシア史を講義冒頭で説明する予定である。現代ロシアの考察の場合、ロシアの歴史に対する知識は不可欠である。
オフィスアワー 各教員のオフィスアワー受付曜日・時間・場所については、本学Webサイトの「オフィスアワー」ページに掲載しています。
<アクセス方法>
大学Webサイトの[トップページ]→[キャンパスライフ]→[教務情報]→[オフィスアワー]
<URL>
http://www.keiho-u.ac.jp/campuslife/affairs/officehour.html

授業の内容や学習上の問題などについて質問や相談を行いたい場合は、実施曜日・時限を確認のうえ実施場所を訪れてください。
※なお、非専任講師については、担当授業前、終了後の教室や講師控室等での質問、相談を受け付けています。


第1回 ペレストロイカと冷戦体制の終焉

1985年3月ゴルバチョフのソ連共産党書記長就任、その後1986年末からのペレストロイカ発動による改革とソ連体制の動揺、冷戦体制の終焉、保守派のクーデターについて学修する。

第2回 ソ連崩壊

1991年8月19日のソ連保守派のクーデター勃発とエリツィン派及び改革派の反撃によるクーデター失敗、その後のエリツィンの実権掌握によるソ連崩壊への道筋について学修する。

第3回 市場経済への移行と転換ショック(市民生活の貧困化)

ソ連崩壊直後の1992年初めからの新生ロシアでの市場経済への移行(いわゆるショック療法)の開始の過程について学修する。

第4回 ロシアにおける市場経済化(1)-民営化政策

1992年初めからのロシア全国民へのバウチャー(いわゆる民営化小切手)の配布とバウチャーによる民営化、1995年からの有償民営化について学修する。

第5回 ロシアにおける市場経済化(2)-マクロ安定化政策

1992年初期からの自由化政策、1995年から始まった超引き締め政策(コリドール制、超通貨高政策)、財政赤字と短期国債(GKO)依存について学修する。

第6回 ロシア市場経済化の諸側面 -バーター経済化

超引き締め政策の帰結としての経済のバーター化、現物経済化の実態について学修する。ロシアのバーター経済化をモデル化したバーチャル・エコノミー論についても学修する。

第7回 ロシア市場経済化の諸側面 -オリガルヒ(財閥)の台頭

バウチャー民営化、その後の担保付き民営化の過程を通じて蓄財、資源関連産業、有望製造業企業を手に入れ、一種の財閥(金融・産業グループと呼ばれる)を形成した「オリガルヒ」について学修する。

第8回 ロシアの「8月危機」

コリドール制を初めとする超引き締め政策の帰結でもあり、1977年のアジア危機の帰結でもあるロシアのいわゆる「8月危機」(1998年8月)の発生とその帰結について学修する。

第9回 「8月危機」後のCIS諸国の経済成長 -ロシア及びCIS諸国

「8月危機」後のロシアを初めとするCIS諸国の経済成長について学修する。

第10回 ロシア経済のブーム -資源と経済発展

2000年以降のロシア経済の長期にわたる高度経済成長過程について学修する。

第11回 「オランダ病」と「安定化基金」

ロシアの高度成長の過程で露呈した資源依存経済化といわゆる「オランダ病」、好調な経済の成果である巨額の外貨の蓄積(安定化基金)について学修する。

第12回 プーチン体制の「国家資本主義」化

好調な経済を背景とした強権的なプーチン体制の確立、エリツィン時代のオリガルヒの抑圧と再国有化、言論封殺化、総じて、いわゆる「国家資本主義」の成立について学修する。

第13回 リーマンショック後のロシア経済

2008年8月の対グルジア戦争、9月のリーマンショックによって多額の外貨流出、その後の大幅マイナス成長と資源依存経済のもろさを露呈したロシア経済の実態について学修する。

第14回 近年のロシア経済の低迷

2014年の原油価格の急落とウクライナのクリミア併合への米欧日の経済制裁の影響によるロシア経済の低迷。政治の強権化と軍事力の強化お今後の展望。

第15回 これまでの総括

これまでの講義内容の総括。