事例研究

平成6年度の事例

事例(平成6年12月)概要

 会社役員(54)、銀行員(32)ら3人は、共謀の上、パスワードを探知し、平成612月、電話回線に接続したパソコンを操作して、銀行のオンラインシステムを介して、同行の預金業務等のオンライン処理に使用する電子計算機に対し、実際には振込事実がないのにもかかわらず他行の指定口座に十数億円の振込をした旨の虚偽の情報を与え、不法に資金移動させて財産上不法の利益を得た。72月、電子計算機使用詐欺罪で検挙(愛知)

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原因:ネットワーク上の匿名性(ネットワーク上では本人であるかどうかを認識するためにはID・パスワード等の電子データに依存している。それを悪用している。)に目をつけている。このような人間を監視するシステムが確立されていない。

防御策:このような人間を監視するシステムを作る。

  ⇒ネットワーク上における本人認証システムのセキュリティー確保。等

平成7年度の事例

事例(7年)概要

7年中に検挙された一連のオウム真理教関連事件においては、押収された光磁気ディスク、フロッピー・ディスク等に保存されていた犯罪にかかわる電磁的記録に高度の暗号化等の処理が施されていたため、その解析作業は困難を極めた(滋賀)。A

原因:電磁的記録解析の高度な専門知識・技能をもった人材が不足している。

防御策:専門知識を持った人材の育成を行い、電磁的記録の解析体制を強化する。

平成8年度の事例

事例1(8年1月〜9年2月)概要

農業協同組合職員(23)は、8年1月から9年2月までの間、合計15回にわたり、オンラインシステムの端末を操作して、同組合の金融業務の事務処理に使用されている電子計算機に対し、組合員の定期貯金の解約申入れがあった旨及び自己又は架空人名義の口座に定期貯金解約額相当額を増額する旨の情報を与えて、財産権の得喪、変更に係る不実の電磁的記録を作り、不法に約3,400万円の財産上の利益を得た。9年4月、電子計算機使用詐欺罪で検挙(岩手)B

原因:平成6年事例のパターンに同じ。

防御策:平成6年事例のパターンに同じ。

事例2(8年4月)概要

8年4月、大分市内のプロバイダホスト・コンピュータが外部から不正に操作され、会員のパスワード約2,000人分や個人のホームページ等のデータが消去されて、同プロバイダの業務が一時中断した、電子計算機損壊等業務妨害容疑事件が発生した。なお、同コンピュータはログを保存する措置をとっていたものの、セキュリティ・ホールを突かれ、その記録も消去されていた。10年5月現在捜査中である(大分)。C

原因:セキュリティー管理に問題あり。

防御策:セキュリティー管理体制の強化。

事例3(8年11月)概要

会社員の男(25)は、都市銀行に他人名義の口座を開設した上、パソコン通信上で他人のID・パスワードを不正に探知し、盗用してその者になりすまし、同パソコン通信を利用して、パソコン部品販売名下に当該銀行口座に現金を振り込ませてだまし取った。この会社員は、銀行員との対面を経ずに口座を開設できる都市銀行のメール・オーダー・サービスを悪用し、契約した私設私書箱の住所を用いて他人名義の口座を開設していた。8年11月、詐欺罪で検挙(京都)D

 

原因:平成6年事例1、8年事例1に同じ。

防御策:平成6年事例1、8年事例1に同じ。

事例4(8年3月〜9月)概要

無職の男(24)は、パソコン通信を利用して音響機器販売名下に金員をだまし取ることを企て、83月から9月までの間、自ら不正に入手した他人のID・パスワードを使用し、同通信の電子掲示板に振込銀行口座と販売広告を掲載して購入希望者を募り、それに応じた被害者に対し、指定した銀行口座に現金を振込入金させるなどして、約120人から総額約1,100万円をだまし取った。同年11月、詐欺罪で検挙(埼玉)E

 

原因:ホームページ、電子掲示板は不特定多数の人に情報を発信するのに便利なアイテムだが、これを悪用している。つまり、不特定多数の人に被害を及ぼしている。

原因:この被害は現在も多い。つまり、防御策がまだ確立されていない。

事例5(8年7月)概要

8年7月に検挙された山口組傘下組織組員らによる逮捕監禁等事件において、押収されたコンピュータに保存されていた同傘下組織に係る情報の電磁的記録に暗号が施されていた(長崎)。F

原因:簡単に電磁的記録が外部に漏れないように暗号化されている。(暗号による証拠の消去)

防御策:このような事件を解決するには、平成7年事例でも書いたように専門知識を持った人材の育成を行い、電磁的記録の解析体制を強化する必要がある。

平成9年度の事例

事例1(9年1月〜9年4月)概要

コンピュータ・ソフトの開発販売業者(37)は、9年1月から4月までの間、インターネット上に開設したホームページに、一定の情報提供等のサービスを電話回線で行い、その代金を通話料と一緒に徴収する事業の出資者を募る広告を掲載し、元本を保証した上で、その事業による収益から配当金を支払う旨の契約を応募者と交わし、215人から約1,500万円の預り金を受け入れた。同年5月、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律違反で検挙(北海道)G

原因:平成8年事例4に同じ。

防御策:平成8年事例4に同じ。

事例2(9年2月)概要

 会社役員(30)は、自宅において、インターネットを利用し、わいせつ映像を米国所在のプロバイダサーバ・コンピュータに送信して同コンピュータの記憶装置に記憶・蔵置させ、そのわいせつ映像データにアクセスした不特定多数の者に閲覧させた。9年2月、わいせつ図画公然陳列罪で検挙(大阪)H
原因:インターネットは不特定多数の人に情報を発信することができ、またそれを不特定の人たちは閲覧することが可能。それを悪用した。

防御策:発信した情報が何なのか、チェックするシステムを確立する必要がある。

事例3(9年5月)概要

元会社員の男(31)は、インターネットを利用し、オランダ等に大麻種子や栽培器具を注文して取り寄せ、自宅の洋服タンス内で大麻を栽培し、乾燥させた大麻草を所持していた。9年5月、大麻取締法違反により検挙(秋田)I

原因:コンピューター・ネットワークの特性(匿名性が高い・犯罪の痕跡が残りにくい)を悪用した犯罪。

防御策:9年事例2に同じ。

事例4(9年9月)概要

 会社員(26)は、パソコン通信の掲示板に「アイドル画像売ります」等の広告を掲載して顧客を募り、電子メールで注文を受け、女性アイドルの顔写真を合成したわいせつ映像を記録したCD−Rを販売していた。9年9月、わいせつ図画販売罪で検挙(兵庫)J

原因:9年事例2に同じ。

防御策:9年事例2に同じ。

事例5(9年10月)概要

専門学校生の男(29)は、9年10月、インターネットを介して、プロバイダのコンピュータ内に開設されたホームページの伝言板に、特定の女性が不倫を望んでいるかのような内容の文書を記録させて、これを不特定多数の者に閲覧させ、もって公然事実を摘示して同女の名誉を毀損した。同年11月、名誉毀損罪で検挙(警視庁)K

原因:9年事例2に同じ。

防御策:9年事例2に同じ。

事例6(9年6月〜10年6月)概要

自動車販売業者(29)ら9人は、9年6月から10年6月まで、インターネット利用者にダイヤルQ2回線を利用し、わいせつ画像を送信して再生閲覧させていた。6月、わいせつ図画公然陳列罪で検挙した。また、同業者らにわいせつ画像が蔵置されたサーバ・コンピュータを販売した製造業者(31)ら8人をわいせつ図画販売罪で検挙した(警視庁、埼玉、千葉、長野)。L

原因:9年事例2に同じ。

防御策:9年事例2に同じ。またこの場合今までとは違い個人で製造・販売していたのではなく、製造していたのは別の業者で情報発信者はその仲介役をしていた形になる。このようなパターンは今後も増えそうなのでこの取締りも並行して強化する必要がある。

平成10年度の事例

事例1(10年2月)概要

男子高校生(16)は、プロバイダセキュリティ・ホールを利用してシステム管理者としての権限を不正に取得し、10年1月、プロバイダホームページのデータを削除した上、当該ホームページにあらかじめ入手していた当該プロバイダの顧客情報等を掲載するなどして当該プロバイダの業務を妨害した。さらに、電子掲示板の改ざん等に気付き、防護措置を施したプロバイダの経営者に対し、同人の名誉等に害を加える旨を告知して脅迫し、防護措置の解除、管理者用のパスワードの提供等義務なきことを行わせようとした。10年2月、電子計算機損壊等業務妨害罪、強要未遂罪により検挙(警視庁)M

原因:外部からの不正アクセス(この場合プロバイダのセキュリティ・ホール)を監視するシステムが欠如していた。

防御策:このような監視システムを確実に設置すべき。

事例2(10年5月)概要

コンピュータソフト開発業者(35)は、わいせつ映像等を顧客に有料で見せるためにインターネット上にホームページを開設し、容易に外すことのできるマスクにより処理したわいせつ映像等をサンプル映像として掲載して顧客を募っていた。また、海外からも顧客を募るため、このホームページを英文で作成していたことから、本件の捜査中ICPOイタリア国家中央事務局長から情報提供があるなど、海外でも問題となった。10年5月、わいせつ図画公然陳列罪で検挙(愛知)N

原因:海外からの情報提供があるまでこの犯罪に気づかなかった。日本は捜査能力に問題がある。

防御策:ネット犯罪捜査能力を上げる必要がある。

平成11年度の事例

事例1(11年2月)概要

学習塾講師(27)は、12月、インターネットを利用して自殺願望を持つ女性にシアン化カリウムの薬物カプセルを販売し、シアン化カリウムを嚥(えん)下させて、薬物中毒により死亡するに至らしめ、同人の自殺をほう助した。11年2月、自殺ほう助罪で送致した(警察庁)。O

原因:このようなやり取りを監視するシステムが完全に確立されていればこの犯罪は防げたかもしれない。

防御策:監視システムを早期に確立してこのような犯罪を未然に防ぐ。

事例2(11年2月)概要

無職男性(26)は、8月、インターネットを利用して、規制薬物であるLSDや乾燥大麻を販売した。11年2月、麻薬及び向精神薬取締法違反で検挙した(神奈川)。P

原因:11年事例1に同じ。

防御策:11年事例1に同じ。

平成12年度の事例

事例1(12年2月)概要

農業協同組合金融課課長補佐は、同組合から融資を受けていた会社役員らと共謀の上、同会社役員の同組合に対する返済資金等を捻出するため、オンラインシステムの端末を操作し、同人が管理する同組合の他人名義の普通預金口座に約2,800万円の入金があった旨の虚偽の情報を与え、財産権の得喪、変更に係る不実の電磁的記録を作り、よって同額相当の財産上の不法の利益を得た。(平成12年2月検挙。電子計算機使用詐欺。新潟)Q

原因:6年事例に同じ。

防御策:6年事例に同じ。

事例2(12年2月)概要

他人が仕掛けたトロイの木馬系ハッキングプログラムから取得したID、パスワードを使用して、アメリカ合衆国に設置された有料ゲームサイトの認証サーバーに対して不正アクセスを行い、ゲームを行った。(平成12年2月検挙。警視庁)R

原因10年事例1に同じ。

防御策10年事例1に同じ。

事例3(12年4月)概要

インターネット上でフリーメールのアカウントを偽名で取得し、インターネットの掲示板に「Sほしい」等と書き込んだ者と電子メールやプリペイド式携帯電話等で連絡を取り合って覚せい剤密売の契約を行い、架空名義口座に代金を振り込ませて覚せい剤を販売した。(平成12年4月検挙。覚せい剤取締法違反。新潟)S

原因:11年事例1に同じ。

防御策:11年事例1に同じ。

事例4(12年5月)概要

インターネットの掲示板を見て入手した名前が空欄の健康保険証を加工して健康保険証を偽造し、この偽造保険証で架空名義の口座を作り、架空名義で開設したインターネット上のホームページで購入者を募り、多数の者に架空名義口座を販売した。(平成12年5月検挙。有印私文書偽造・同行使、偽造有印私文書行使。埼玉)21

原因:インターネットの掲示板は匿名性が高く、なりすましという形で悪用した。またそれを認知することが遅れた。

防御策:認知する速度を早める。

事例5(12年5月)概要

インターネット・オークションに「プレステ2を譲る。」と虚偽の情報を掲載し、落札者に対し、代金を指定した銀行口座に振り込ませる方法で、約72名から約680万円を騙し取った。(平成12年5月検挙。詐欺。警視庁)22

原因:ネットオークションで一番多いパターンの犯罪。虚偽情報を流すことで不特定多数の人に被害が及ぶ。管理者が情報の管理をきっちりしていなかった。

防御策:管理者が情報の管理をしっかりやり、認知する。

事例6(12年5月)概要

インターネット・オークションに、「私を買って下さい。お願いします。」等の文言とともに、被害者の住所、氏名、電話番号等を掲載して不特定多数の者に閲覧させ、同人の名誉を毀損した。(平成12年5月検挙。名誉毀損。警視庁)23

原因:管理者が情報の管理を怠った。

防御策12年事例5に同じ。

事例7(12年7月)概要

アルバニア人等3名が著作権者の許諾を得ずにコンピュータソフトを複製し、インターネット・オークションにおいて販売した。(平成12年7月検挙。著作権法違反。徳島)24

原因:著作権法違反ということを管理者は認知するのが遅れた。

防御策:認知速度を早める。

事例8(12年8月)概要

架空名義で、銀行口座の開設及び携帯電話の契約を行い、インターネットのホームページに「車の部品売る」等の虚偽の販売情報を掲載し、落札者に「指定口座に現金振り込み確認後商品を発送する。」等と連絡、現金を振り込ませる方法で約25名から約200万円を騙し取った。(平成12年8月検挙。詐欺。宮崎)25

原因12年事例5に同じ。

防御策12年事例5に同じ。

事例9(12年6月)概要

有料掲示板「2ショットチャット」の認証機能が甘いことに乗じ、自作CGIプログラムを使用してセキュリティホールを突き、パスワードを入力することなく不正アクセスした。また、不特定多数の者が当該掲示板にアクセスできるようなリンクを自分の管理するホームページ上に作成した。(平成12年6月検挙。北海道、富山)26

原因:本人認証機能が甘い。

防御策:本人認証機能を厳しいチェックにする。

事例10(12年12月)概要

公務員(24歳)は、元交際相手に対し、電子メール等で「電話やメールにちゃんと出ろ。押し掛けるぞ。」等と執拗に交際の要求を行い、女性の身体の安全が害される不安を覚えさせる方法でつきまとい等を反復して、ストーカー行為を行った。(平成12年12月検挙。ストーカー規制法違反。福岡)27

原因:平成11年事例1と同じ。

防御策:平成11年事例1と同じ。

事例11(12年8月)概要

専門学生(20歳)は、ホームページの中の爆弾マークをクリックすると自動的に110番につながる携帯電話(インターネット接続)のホームページを開設し、多数の事情を知らない閲覧者に110番させ警察の通信指令業務を妨害した。(平成12年8月検挙。偽計業務妨害。警視庁・高知)28

原因:このようなシステムを作れないようにホームページに規制をかけていなかった。

防御策:規制をかけるべき。

事例12(12年2月)概要

無職少年が、パソコンソフト購入代金を請求してきた会社に対して、コンピュータウイルスに感染した659個のファイルを電子メールに添付して送信し、被害会社の本来の販売業務等の遂行に支障を生じさせ、威力を用いて同社の業務を妨害した。(平成12年2月検挙。威力業務妨害。警視庁)29

原因:メールサーバーにコンピューターウィルスを識別して受信者側にこのようなメールを送れないようにするシステムを確立していなかった。

防御策:このようなシステムを確立するべき。

平成13年度の事例

事例1(13年1月)概要

インターネット・オークションに高級腕時計を出品し、その落札者に対し、電子メールで不正に入手した健康保険証を利用して開設した架空の銀行口座への現金の振り込みを指定し、同口座に現金を振り込ませ、8名から約170万円を騙し取った。30

原因:犯罪が生じた場合にその記録が全く保存されていない。被害者の苦情がよせられて始めて犯罪だと認知している。

防御策:犯罪が生じた場合その記録を保存するシステムを確立する。

事例2(13年2月)概要

信用組合理事長が、支店長当時、情を知らない部下職員に命じて、オンラインシステムの端末を操作させ、貸付け及び預金等の事務処理に使用されている電子計算機に対して、自己が開設した架空名義口座に合計約1億1,200万円の貸付金の入金があった旨の虚偽の情報を与え、同口座の残高を増加させた不実の電磁的記録を作り、同金額相当の財産上不法の利益を得た。31

原因6年事例に同じ。

防御策6年事例に同じ。

事例3(13年2月)概要

会社を退職させられたことに対して憤慨し、インターネットの掲示板やチャットコーナーに同社社員を誹謗中傷する記事を掲載し、不特定多数の者に閲覧可能な状態にして会社や社員の名誉を毀損した32

原因9年事例2に同じ。

防御策9年事例2に同じ

事例4(13年5月)概要

雑誌で知り得たハッキング手法を試す目的で、携帯電話を利用し、無料ホームページサービス会社の管理者になりすまして、虚偽のメッセージを送信することにより利用権者からID・パスワードを入手して、これを不正に使用してウェブサーバに侵入し、同パスワードを変更した。33

原因:このような雑誌を販売していること自体がまず問題。不正にアクセスして犯罪を犯す人間に監視が行き届いていない。

防御策:このような雑誌の販売の規制。監視の充実。

事例5(13年5月)概要

 インターネット上にホームページを開設し、チャットシステムを利用し会員とチャットをさせながら、チャットモデル嬢のわいせつな映像をリアルタイムに送信して多数の者に閲覧させ公然とわいせつな行為をした。34

原因:アダルトサイトの規制が甘い。

防御策:規制を厳しくする。

事例6(13年8月)概要

交際していた女性から一方的に別れ話を持ち出されたことから、同女に「あんた殺される。この夢が現実にならないことを祈る!誰かがいつも狙っている。」等とメールを送信して脅迫した。35

原因:被害者からの相談がないとこのような犯罪は今のところ未然に防ぐことが出来ない。

防御策:捜査目的ならこのようなメールの内容を閲覧することができるようにする。(電話の盗聴のように)

事例7(13年8月)概要

以前交際していた女性に対する嫌がらせ目的で、インターネットの掲示板に、同女性を装い、「やり友募集」等の内容を掲載したほか、同女性の電話番号等を掲載し、名誉を毀損した。36

原因:掲示板の管理者の管理不足。

防御策:掲示板の管理者は名誉を毀損するような伝言、中傷メールを発見しだいすぐ削除できるように、日ごろから管理を徹底する。

事例8(13年10月)概要

携帯電話のメール掲示板に、「メルともキャンプ開催」等と掲載して参加者を募り、電子メールで参加申し込みをした10名に対し参加費を指定の銀行に振り込ませ、10万円を騙し取った。37

原因12年事例5と同じ。

防御策12年事例5と同じ。

事例9(13年10月)概要

インターネットの電子掲示板に、児童ポルノ動画データの販売を掲載し、電子メールで注文を受け、購入希望者に児童ポルノの動画データをダウンロードさせたり、CD−Rに記録して郵送販売した。38

原因:掲示板管理者の管理不足。

防御策:このような犯罪を早期に発見出来るように日頃から掲示板の管理の徹底を行う。

事例10(13年11月)概要

著作権者の許諾を受けず、ソフトウエアを自己のパソコンに記憶蔵置させ、ファイル共有交換ソフトを起動させ、自己のパソコンにインターネットでアクセスしてきた不特定多数の者に自動的に送 信可能な状態に設定し、著作権者の著作権を侵害した。39

原因:サーバーが著作権侵害と認識できなかった。

防御策:サーバーで著作権侵害だということを認識することができるシステムを作る。

事例11(13年11月)概要  

インターネットオークションに改造けん銃を出品し、落札者に対して同けん銃を営利目的で譲渡した。40

原因:オークション管理者の管理不足。

防御策:犯罪だとすぐ分かるように管理の徹底を行う。

事例12(13年12月)概要    

携帯電話の出会い系サイトに「15歳の中学3年生、生4万円」等と援助交際の書き込みをした女子中学生(15歳)とメールで援助交際の約束をし、児童買春を行った。41

原因:犯罪だと分かる文章・伝言を識別し規制をかけるシステムがない。

防御策:規制をかけるシステムを作る。

平成14年度の事例

事例1(14年1月)概要  

インターネット・カフェに設置されたパソコンを利用して他人のID及びパスワードを無断で使用し、インターネット・オークションの認証サーバに不正アクセスし、同オークションに「DVDソフト出品、傷はありません。」等と同会員になりすまして虚偽の情報を掲示し、落札者に対して代金の振込方法をメールで指示して架空名義の銀行口座に代金を振り込ませ、36人から約190万円をだまし取った。42

原因6年事例に同じ。

防御策6年事例に同じ。

事例2(14年2月)概要  

女子中学生が「裸の写真OK」等とインターネット上に書き込んだことから、この中学生と携帯電話のメールで交渉を行い、これに応じた中学生に現金を与えてわいせつな写真を撮影して児童ポルノを製造した上、CD−Rに記録してインターネットを利用して販売した。43

原因13年事例9に同じ。

防御策13年事例9に同じ。

事例3(14年3月)概要  

携帯電話の出会い系サイトでメル友募集の書き込みをした16歳の少女に対して、メール交換により現金を与える約束をして誘い出し、同女が18歳に満たないことを知りながら、ホテルにおいて児童買春を行った。44

原因13年事例9に同じ。

防御策13年事例9に同じ。

事例4(14年3月)概要  

ファイル共有交換ソフト「WinMX」のファイル共有機能をインストールしたパソコンを使用して、インターネット上で不特定多数の者に対してわいせつ画像を閲覧できる状態にして、わいせつ物を公然と陳列した。45

原因:このような犯罪の監視・規制が甘い。

防御策:監視・規制を厳しくする。

事例5(14年4月)概要  

金融機関に口座を持つ他人になりすまして、携帯電話のインターネット機能を使って振込や残高照会ができるモバイルバンキングサービスを利用して、他人の口座から2つの架空名義口座に計約360万円を振り込んで不法の利益を得た。46

原因6年事例と良く似ている。ネット特有の匿名性を悪用しているので発見は困難。

防御策6年事例に同じ。

事例6(14年5月)概要  

有名タレントが所属する芸能プロダクションの社員になりすまし、インターネットの掲示板で知り合った有名タレントグループの女性ファンに対して「タレントを紹介してあげる。」等と虚偽の内容の電子メールを送信して、銀行口座にチケット代金名目等で現金を振り込ませ、9人から約54万円をだまし取った。47

原因6年事例に同じ。

防御策6年事例に同じ。

事例7(14年5月)概要  

自分が録音した有名ロックバンドのライブ・コンサートをCD−Rに複製し、インターネット・オークションに出品して販売した。48

原因:複製したと認識するシステムが無い。

防御策:発見は困難。

事例8(14年5月)概要  

薬局開設、医薬品販売業の許可を受けずに、ホームページに医薬品である「威哥王」の広告を掲載し、インターネットを利用して約180人に販売した。49

原因:許可を受けたかどうか認識するシステムが無い。

防御策:許可を受けなければ販売することができない、広告にだすことができないようなシステムを作る。

事例9(14年5月)概要  

インターネット・オークションに改造けん銃を出品し、落札者に対して同改造けん銃を売り渡した。50

原因:オークション管理者の管理不足。

防御策:日頃から違法なものを出展できないように管理を徹底する。

事例10(14年5月)概要

会社員が、自社及び他社のデータが管理されている特殊法人の研究開発用サーバに当該他社の社員のID及びパスワードを使用して不正にアクセスし、当該他社が開発していた部品に係る機密情報を入手した。51

原因:ID、パスワードを入手すれば簡単にこのような犯罪を犯すことが用意である。

防御策:IDパスワード以外に本人認証機能の強化(例えば指紋照合など)するシステムをつくる。

事例11(14年6月)概要

インターネットを利用して男性会員勧誘のための架空の会員制クラブを設け、被害女性のホームページから無断で入手した顔写真、架空の氏名、年齢や「5,000円で同女の電話番号等を提供する。」等との文書を掲載した同クラブの勧誘広告を、不特定多数の者に電子メールで送信し、被害者の名誉を毀損した。

なお、クラブの会員登録料名下に現金をだまし取り、詐欺罪でも検挙。52

原因:このような勧誘広告の規制がない。

防御策:規制を行う。

事例12(14年6月)概要

インターネットの掲示板に覚せい剤売買の情報を書き込み、購入希望者とメール交換により売買の方法を約束して覚せい剤の密売を行った。53

原因:掲示板管理者の管理不足。

防御策:管理の徹底を。

分析

一番多い犯罪(年度別、件数は検挙件数)

平成8年⇒データまたはプログラムの改ざん・消去→132件

平成9年⇒電子計算機使用詐欺→163件

平成10年⇒電子計算機使用詐欺→287件

平成11年⇒わいせつ物頒布(はんぷ)等→147件

平成12年⇒わいせつ物頒布(はんぷ)等→154件

平成13年⇒児童売春・児童ポルノ法違反→245件

平成14年上半期⇒児童売春→114件

一番多い犯罪から分析すると統計初期段階では主にコンピューター電磁的記録対象犯罪(注1)が以後年々ネットワーク犯罪(注2)に犯罪対象が以降してきている。この背景にはインターネットが年々社会に普及してきていることがいえる。

事例から見てこのような犯罪を未然に防ぐ方法が今のところ完全に確立されていないということがうかがえる。

注1 ・ 刑法に規定されている、私電磁的記録不正作出罪(第161条の2第1項)、公電磁的記録不正作出罪(第161条の2第2項)、電子計算機損壊等業務妨害罪(第234条の2)、電子計算機使用詐欺罪 (第246条の2)、公電磁的記録毀棄罪(第258条)、私電磁的記録毀棄罪 (第259条)
・ コンピュータにコンピュータ・ウィルスに感染したファイルを送付し、当該コンピュータを正常に使用できない状態にした場合(器物損壊罪)のように、上記以外の犯罪であって、コンピュータ・システムの機能を阻害し、若しくはこれを不正に使用するもの

注2例えば、パソコン通信電子掲示板を利用し、覚せい剤等の違法な物品を販売した場合、コンピュータ・ネットワーク上で他人のパスワードを使用し、その者になりすまして虚偽広告を掲示し、販売代金をだまし取った場合、インターネットに接続されたサーバ・コンピュータにわいせつな映像を蔵置し、これを不特定多数の者に対して閲覧させた場合等が挙げられる。